謝辞
tutor.bunko中級編「漢字の部屋」は、次の教科書に基づいて作成されています。
“Gateway to the Japanese Written World unit one&two”, Niimi/Yamaura,
Sophia University, Tokyo,1995(邦題は「書き言葉の世界へ」)
上智大学のJapanese Language Insitute(JLI)で、この漢字の教科書は使用されていました。 JLIは2006年に50年以上の歴史に幕を下ろした日本語集中コースです。そこでは、文法と漢字が手作りの教科書で教えられていました。漢字語彙のクラスでは、全くゼロから初めた学習者に2年間で常用漢字1945字を網羅的に紹介していて、このGatewayのunit oneは、ひらがなとカタカナを終えてからすぐに使う初級者用教科書でした。漢字になじみのない学習者がその世界に徐々になじんでいけるように、漢字のなりたちに着目して配列され、例文も文法的要素が初級〜中級へと徐々に難しくなるように考えられて配列されています。また、日常のささいな場面でよく使われる言葉の背景が垣間見えるような内容の例文がたくさん用意されています。
この本を書かれた新美和昭先生と山浦洋一先生は、Anthony Alfonso先生と、日本語教育界のいわば草分け的なお仕事をなさり、以後も50年近く教師を続けていらした大先輩先生です。しかし、この本の内容は、決して古くありません。代わりに、流行に左右されないスタンダードを保ち、長い年月をかけて熟成された多くの知恵と工夫が、目立たないところできらりと光るいぶし銀のような本だと思います。
この「漢字の部屋」で、この教科書を皆さんにご紹介できることをとても嬉しく思います。この公開を快く承諾して下さった新美先生、山浦先生に、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
(なお、ネット公開にあたり、レイアウトや例文の変更、追加などは、永須実香(上智大学)、森川結花(甲南大学)の責任で、随時行わせていただいております。)