- お地蔵さんを知っているかな。
- いなかの道などを歩いていてよく見かける、あの石像の仏様、あれがお地蔵さんだ。
- お地蔵さんは、どこにでもいる。
- いなかにも都会にも、道ばたにも四つ角にも、そしてお寺にも立っている。
- 子供にもお年よりにも一番親しい仏様だ。
- 頭の丸いおぼうさんの姿で、左手に玉、右手につえを持った立像が最も多い。
- 六体のお地蔵さんが並んで立っていらっしゃるのを見たことがあるだろう。
- あれは、お地蔵さまの中でも最もポピュラーな六地蔵だ。
- 地蔵というのは、釈迦の死から未来の仏が現れるまでの無仏時代に、人々をすくうのがその役目だ。
- この無仏時代に人々をすくう仏というところが、人々の信心を集めて、国中に広まったのだそうだ。
- 「地蔵」というのは、地の中に蔵されている宝、大地の全てのものを産み出し、育てる力を象徴したものだ。
- 「母なる大地」というと分かりやすいかもしれない。
- 民間では、お地蔵様は人々の苦しみをすくう、特にまだ小さい子供をまもり、すくうと信じられている。
- そこで、赤ちゃんや小さい子供を亡くした母親は、その子の霊がすくわれるように、子供が身に着けていた物を供え、小石を供える。
- お地蔵さんが、よくよだれかけなどを身に着け、足下や頭の上に石を置いているのはそのわけだ。
- この石は、この世とあの世の間を分ける川を渡るためのものだそうだ。
- お地蔵様にも個性がある。
- 人々のなやみ、望みにおうじて、それぞれに助けて下さることから、それぞれにふさわしい名で呼ばれている。
- 目の病気を治して下さるのは「目病み地蔵」、子供を育てて下さるのは「子育て地蔵」と言う。
- 同じように、子さずけ、安産、子守り、背比べ、、、耳、いぼ取り、夜泣き、、、その外、雨ごい、雨やみ、田うえ、川守、火よけ、、、それから、恋の地蔵様。
- 現代では、交通事故の痛ましい死者のために立てられたお地蔵さんがあちこちに見られるようになった。
- 時々、首のないお地蔵さんがいらっしゃる。
- あれは、首を切らなければならないようなつみの深い人が「つみを代わって下さい」といのって、お地蔵さんの首を落としたのだということだ。
- この考え方は、「神が人間のつみを引き受けて下さる」という「神の苦しみ」に通じる。
- お地蔵様は、日本人の心のあり方、あわれみと愛を願う心を表すものだと言えるだろう。
田植地蔵(たうえじぞう)
http://www.youtube.com/watch?v=ae2PUTEoyO4
笠地蔵(かさじぞう)
http://www.youtube.com/watch?v=IrFLrNnXWhw
これらの読み物の原文は、以下の教科書から、著者である新美先生、山浦先生の許可を得て、転載させていただいております。
新美和昭・山浦洋一著「書き言葉の世界へ」上智大学
JLI Niimi/Yamaura, Gateway to the Japanese Written World 1&2, Sophia University
新美和昭・山浦洋一著「書き言葉の世界へ」上智大学
JLI Niimi/Yamaura, Gateway to the Japanese Written World 1&2, Sophia University
あまり有名でないお話も。
返信削除汗かき地蔵(あせかき地蔵)
http://www.youtube.com/watch?v=NhNKhB5bR6c&feature=related